立冬

ゆずモミのハロウィンの仮装は、すでに今更感が出てきましたが、
まだ蠍座シーズンなので(モミジーヌはサソリを手づかみしてますし)
このイラストとともに。


11月7日で秋の土用も終わり、8日には立冬をむかえました。
冬の気配が近づいてきましたね。

 

「土用」という概念は日本独自のものですが、ベースは中国の陰陽五行説。

 

陰陽五行というのは

万物は陰と陽・そして五行で成り立っている

という考え方です。

 

1.陰陽

黒と白の勾玉が合わさったタオのマークのように2つの要素が絡み合う。

陰の中にも陽があり、陽の中にも陰が存在する。

また、状況に応じて役割を交代することもある。
白黒をきっぱりとわける分離型の考えではありません。

 

2.五行

「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)」(五行)

5つの要素も、お互いに関わり合い、助け合っている。

この考えをもとに、四柱推命や二十四節気、易経ができたりしています。


そして、陰陽五行を取り入れつつも、日本の風土や暮らしに合わせてアレンジしたのが、

日本生まれの雑節です。

土用はその雑節の中の節目のひとつで、節分お彼岸などもこの雑節に属します。

 

雑節は、陰陽五行を四季にあてはめるという、四季折々の国・日本らしい世界観です。

・草木や花々が萌える春は「木」の気。

・太陽の光がまぶしい夏は「火」の気。

・様々な実りをうけとる秋は「金」の気。

・大地が凍てつく冬は「水」の気。

しかし、五行は5つです。

四季に当てはめていては一つ足りないということで、

基盤(土)が移動する季節の移行期間は「土」の気が強くなると考え

「土用」期間ということになりました。

 

こうした理由から土用は年に4回あります。

・春の土用は立夏前

・夏の土用は立秋前(この期間が一番有名)

・秋の土用は立冬前

・冬の土用は立春前 までの、それぞれ18日間です。

 

日本の陰陽五行説は、陰陽道もブレンドされているので、
土の神様である土公神などの考え方も取り入れられていますが、

その概念に誠実に敬意を払いつつも、

個人的には「土の気が盛んな時期なのだな」とシンプルに考えています。

私たちは死ぬと土に還ります。

そして、生きている間は大地に育まれて生きています。

土の元素は西洋占星術でも「基盤」の意味が含まれています。

土用期間は、こうした「はじまりと終わり」「基盤」をつかさどる土の気が盛んな時期。

そのため、土用期間に新しいことをしてはいけないと言われたり、

基盤を動かす引っ越しを避けようと考えたのだと思います。

そうは言っても、環境も価値観も多様な今の時代。

こうした時期に行動が起こす事もあると思います。

それを悪いとは思いませんし、

だからと言って、土用の考え方をまったく意味がないとも思わないのです。

ただ、陰陽五行説が日本の風土に合わせてアレンジされてきたように、

雑節にもなにかしら新しいアップデートがあるのは自然なこと。
これからの時代、そうした動きも出てくるかもしれません。

 

世界は色々なエネルギーが干渉しあってできていますが、

普遍的なものを大切にしながらも、柔軟に変わっていけたら。

冬至に向かって本格的な冬支度をしていく時期。
そんなことを考えています。

良い季節をお過ごしください。